英語のかけ込み寺

第5弾

日本語の思考・発想を英語に即訳しても英語にならない。

これを証明する国際事件が1977年に起こった。赤軍の日航機ハイジャック事件だ。
日本政府は当時の福田法務大臣を急きょダッカに送った。外国記者に解決法を問われた福田氏は後に残る名言を残した。



人名は地球より重し。



このコメントを英語に即訳してみよう。Human life is heavier than the earth.

チンプンカンプンの禅問答だ。事実、肝心な時に意味不明な発言をするわが国の政治家にうんざり気味の1記者がヨーロッパに“文字通り”送電し「こんな思考・発想をする国民とどうつき合っていけばいいのか?」という物議をかもした。


英語の発想では“人名の貴重さ”と“地球の重力”は比較できない。
福田氏は単に人名の貴重さを強調したつまりだろうが、そうなら言葉にするまでもない。
ハイジャックは人名が尊いから成り立つ。英語ができれば福田氏は世界が理解するコメントをしただろう。



- 残念ながら、今のところ犯人側の要求を飲むより解決法はない。



歴史は福田法務大臣が超法規措置を取って問題を解決したとされるが、事実は、法務大臣が司法を踏みにじり、犯人側の要求を全面的に受け入れ、獄中の赤軍の幹部を釈放し、数億円の逃亡資金を提供している。これでは解決にならない。ハイジャック再発を助けたのだ。



この1977年の出来事を持ち出したのは、福田氏のこの迷言は、わが国では名言として、いまでも知識人が論文の前提に使っている。福田氏の発言を神の声と呼ぶインテリもいる。日本のような縦型社会で重要なのは誰の発言かで、その内容ではないようだ。